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花と小物のアレンジを中心に、日々の楽しみを四葉のしおりをはさんでいくように綴っています


by kain-4

今病気と闘っている方もお世話している方も

 ひつじ田のコメントで人物を詠んだ歌は投稿しないと言いましたが、考えてみるとブログを始めて丸四年、ネットを通じて親しくさせていただいた方々の周りには色々なことがありました。ご本人が病を得たり、お身内が入院されたり・・・。  母の歌の中に入院中の父や祖母などを呼んだ歌があります。退院の歌もあります。現在リハビリ中の方やお世話をしておられる方々への応援の気持ちをこめて少しご紹介しますね。

「病むわれの額互に触りては孫ら二人の遊びは続く」
 これは母の枕元で当時三歳の私の息子と姪が遊んでいる風景です。よく絞ってないタオルを額に乗せたりしていました。

「無骨なる叔父に枕をかえられつつ
  肯(うべな)う叔母の顔の安けり」
 あの大叔父さんがねぇ。大叔母さんは料理がとても上手でした。

「入院の夫(つま)思ひつつお茶漬けを
   一人食べゐる朝餉(あさげ)侘びしも」
 子供達が皆巣立った後、夫婦二人で寄り添って暮らしていた家ががらんとして・・・。

「雪うさぎ孫につくりてそのままに
   雪ふる日々を姑(はは)の病みをり」
「臥す姑(はは)を見守りをれば目のあひて
   どちらからともなくほほえみぬ」
「呆(ほう)けたる姑(はは)看とりつつこの姑と
   過ぎ来し長き日々思ふなり」
 いずれも祖母を詠んだもの。何でも器用で可愛らしいおばあちゃんでした。

「聖書読む声隣より聞こえくる病む夫(つま)の顔みつつききをり」
「病む夫へ窓をひらきてこの町の祭り太鼓のきこゆるを言ふ」
 父は晩年よく検査入院を繰り返しておりました。医師をはじめ懇意な人ばかりの病院でしたが地元から離れていたので母には大変でした。

「退院をして来し夫にはや慣れて手紙たのめり角のポストへ」
 子供の頃よく手紙を出すお手伝いをした四つ角のポスト。
「夫(つま)のいぬ二十日ばかりを休みいし柱時計がけふ動きだす」
 この時計は今では兄の家で大切にされています。
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by kain-4 | 2009-10-29 22:32 | 短歌の風景